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小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; 長谷川 雄太; 山下 晋; 下川辺 隆史*; 青木 尊之*
Proceedings of International Conference on High Performance Computing in Asia-Pacific Region (HPC Asia 2021) (Internet), p.120 - 128, 2021/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Computer Science, Hardware & Architecture)本研究では、二相流体解析コードJUPITERに対して、マルチグリッド前処理付き共役勾配(MG-CG)法を開発した。MG法は、3段のVサイクルMG法に基づいて構築し、各段に対して、RB-SOR法およびGPUのキャッシュを再利用したCR-SORを開発・適用した。性能測定として、バンドル体系に対する気液二相流体解析を行った。RB-SOR法およびCR-SOR法を適用したMG-CG法では、MG法を適用しないPCG法と比較して、収束までの反復回数を15%と9%以下に削減するとともに、3.1倍, 5.9倍の計算速度が達成された。以上の結果から、本研究で開発したMG-CG法は、GPUを用いたスーパーコンピュータ上にて、効率的に大規模な二相流体解析が可能であることが示された。
井戸村 泰宏; 小野寺 直幸; 山田 進; 山下 晋; 伊奈 拓也*; 今村 俊幸*
スーパーコンピューティングニュース, 22(5), p.18 - 29, 2020/09
多相多成分熱流動解析コードJUPITERの圧力ポアソン方程式に省通信型マルチグリッド前処理付き共役勾配(CAMGCG)法を適用し、従来のクリロフ部分空間法と計算性能と収束特性を比較した。CAMGCGソルバは問題サイズによらずロバーストな収束特性を示し、通信削減と収束特性向上を両立することから、通信削減のみを実現する省通信クリロフ部分空間法に対する優位性が高い。CAMGCGソルバを900億自由度の大規模多相流体解析に適用し、前処理付共役勾配法ソルバと処理性能を比較した。このベンチマークにおいて、反復回数は約1/800に削減され、Oakforest-PACS上で8,000ノードに至る良好な強スケーリングを維持しつつ約11.6倍の性能向上を達成した。
岡 芳明*; 越塚 誠一*; 岡野 靖*
PNC TY9602 96-001, 133 Pages, 1996/03
高温増殖炉の安全性や経済性を追求するためには、自由液面を有する熱流動問題や液体-構造連成問題などの複雑な事象を高精度で評価することが不可欠である。しかしながら、従来の計算格子を用いる解析手法では、解析領域自体が大きく変形する問題に対して限界がある。そこでここでは、流体の運動を粒子の動きによって解析する「粒子法」の基礎研究を、昨年度に引き続き実施した。今年度は、昨年度に開発した粒子法の計算手法に関して次2点の改良を行なった。第1点は粒子間相互作用モデルの基本となる重み関数の改良で、粒子間距離がゼロの場合に値が無限大になるような関数に変更した。第2点は非圧縮条件の計算法で、粒子数密度の偏差をソース項とする圧力のポアソン方程式を導き、これをICCG法で解くように改良した。これらの改良によって、昨年度と比較して数値安定性が格段に向上し、計算時間も大幅に短縮された。次に、この改良された粒子法(Moving Particle Semi-implicit Method, MPS法)を斜面上で生じる砕波の解析に適用した。斜面に入射された波は、水深が浅くなるに従い波形が急峻になり、やがて砕波する。この時、流体は著しく変形するだけでなく分裂や合体にまで至るので、従来の格子を用いる解析手法では砕波を解析することができなかった。粒子法ではこうした場合でも安定に計算することができ、砕波を再現することができた。また、実験では砕波パラメータにより砕波形式が分類されているが、これについても実験と良く一致した計算結果が得られた。本計算では、境界の壁面を振動させることで波を発生させているが、この振動を非線形波であるクノイド波の解析解に従い、高さ方向で異なる振幅を与えた。これによって、助走区間が短くても解析解に従った入射波を発生することができ、計算量を低減することができた。さらに、浮体を加えた解析も行ない、波の力によって浮体が移動する様子を解析した。このように粒子法では、構造物を変形させながら動かしたり、あるいは流体からの力によって構造物が移動するようなことも容易に解析できることが示された。
市原 潔*; 横川 三津夫; 蕪木 英雄
JAERI-Data/Code 96-012, 43 Pages, 1996/03
3次元圧縮性ナビエ・ストークス方程式のうち、最も計算時間を要する圧力方程式にDOループ分割による並列化を行った。red-black SOR法による並列化されたプログラムをVPP500およびParagon上で実行した結果、両者ともスケーラビリティの低下がPE数の増加とともに現われる傾向を共通している。その原因は、VPP500の場合は通信時間の増大とベクトル化効率の2つであるのに対し、Paragonの場合は通信時間の増大のみに依存していることが判明した。また、PCG法の不完全LU分解法にred-black SOR法を適用してVPP500上で実行した時は、PE数が1の場合は反復による実行ステップ数の増加にもかかわらず高いベクトル化効率による若干の実行時間短縮が図れる。しかし、PE数が4以上では、ベクトル化効率低下が著しいため、並列化のメリットが現れにくいことが判明した。
小倉 浩一; 蕪木 英雄; 柴田 猛順
Journal of Nuclear Science and Technology, 30(12), p.1248 - 1255, 1993/12
被引用回数:14 パーセンタイル:76.61(Nuclear Science & Technology)レーザー誘起プラズマからのイオン回収過程におけるプラズマ中のイオンの挙動について、二次元数値シミュレーションコードを作り計算を行った。電子密度分布はポルツマンの関係に従うとしてポアソン方程式を用いて電位分布を計算し、イオンの軌道を運動方程式を解いて求めた。この二次元数値シミュレーションで得られた結果を実験結果と比較したところ、本シミュレーションコードは実験結果を良く再現でき、レーザー誘起プラズマからのイオン回収過程におけるプラズマとイオンの挙動を予測できることがわかった。
小倉 浩一; 蕪木 英雄; 柴田 猛順
JAERI-M 92-141, 21 Pages, 1992/09
レーザー誘起プラズマからのイオン回収過程におけるプラズマ中のイオンの挙動について、二次元数値シミュレーションコードを作り計算を行った。電子密度分布はボルツマンの関係に従うとしてポアソン方程式を用いて電位分布を計算し、イオンの軌道を運動方程式を解いて求めた。この二次元数値シミュレーションで得られた結果を実験結果と比較したところ、本シミュレーションコードは実験結果を良く再現でき、レーザー誘起プラズマからのイオン回収過程におけるプラズマとイオンの挙動を予測できることがわかった。
小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; 朝比 祐一; 長谷川 雄太; 下川辺 隆史*; 青木 尊之*
no journal, ,
本研究では、CPUおよびGPUスーパーコンピュータで動作するブロック型適合細分化格子に基づくポアソン解法を開発した。ブロック型適合細分化格子法は、複雑な構造物で構成される原子炉等のCFD解析に対して、有効である。前処理手法として、3段VサイクルMG法を実装するとともに、混合精度を用いて計算を高速化した。TSUBAMEのGPUを用いた計算にて、格子の大規模問題に対して、提案した手法はオリジナルの前提条件付きCG法と比較して、反復回数を30%以下に削減し、2倍の高速化を達成した。この研究成果は、CPUやGPU等のそれぞれの計算機での堅牢性,計算精度,スレッド並列化,キャッシュサイズなどを議論する上で有用である。